材木座海岸は、鶴岡八幡宮や鎌倉駅方面から若宮大路を南に下った先の、向かって左側に広がっている海岸です。鎌倉の中心部を南北に貫いている若宮大路は、海に近くなると滑川が並行して流れるようになりますが、この滑川の河口より東側(小坪・逗子方面)が材木座海岸で、1km以上砂浜が続いています。
滑川より西側(長谷、藤沢方面)は由比ヶ浜海岸です。鎌倉市街地の前浜として、由比ヶ浜海岸と合わせて大きな入り江になっているため、2つの海岸をまとめて「鎌倉海岸」と表現されることもあります。また、中世には材木座も由比郷と呼ばれる地域に含まれていたため、古くは材木座海岸も含めて「由比浦」などと呼ばれていました。
材木座海岸の逗子寄り、光明寺の前あたりの海上には、鎌倉時代に築かれた人工島・和賀江嶋(和賀江島)があります。和賀江嶋(和賀江島)は現存する日本最古の築港で、国の史跡に指定されています。
なお、この逗子寄りの光明寺の前あたりからは、材木座海岸・由比ヶ浜海岸で唯一江の島を望むことができます。気象条件が良ければ、その右側の稲村ヶ崎の上に、富士山の頭が見えることもあります。
材木座海岸の周辺
和賀江嶋 小坪飯島公園 リビエラ逗子マリーナ
由比ヶ浜海岸 鎌倉海浜公園由比ガ浜地区
光明寺 来迎寺 五所神社
INDEX
稲村ヶ崎越しに見える富士山と江の島
南側を除く三方を山に囲まれた鎌倉の中心エリアの海岸沿いでは、西の方角にある富士山を望める場所は限られています。三浦半島の付け根で、由比ヶ浜海岸から半島南部に向かって大きく弧を描く途中にある材木座海岸では、天気と気候次第ですが、もっとも逗子寄りの海岸で稲村ヶ崎の上から富士山を望むことができます。また、この辺りでは、稲村ヶ崎の陰に隠れていた江の島も顔を見せてくれます。
何の障害物もなく相模湾越しに見る富士山も良いですが、稲村ヶ崎越しに見る富士山こそ、鎌倉の海らしい風景の一つと言えます。
材木座海岸周辺の夕日スポット
材木座海岸から見る夕日は、西側に稲村ヶ崎が突き出ていることもあって、概ね、3月初旬から10月中旬ごろまでは、海の方角ではなく近くの山に向かって落ちていきます。
材木座海岸周辺の夕日スポットとしては、より高い場所から見られる光明寺裏山や、材木座海岸より海側に突き出ている小坪飯島公園などのほうがオススメです。小坪飯島公園は鎌倉市ではなく逗子市の公園ですが、材木座海岸のすぐ隣りに位置していますので歩いて行けます。
材木座海岸の夕日スポットとしては、国道134号の逗子寄りに位置している高台がオススメです。国道134号はかつて「湘南道路」と呼ばれる有料道路だった名残りで、歩道がない区間があります。鎌倉~逗子間を結ぶ飯島トンネルもその一つで、材木座海岸の逗子寄りにある材木座駐車場付近で、国道134号の海側の歩道は車道から分かれて、内陸側を走る道路に合流します。
この国道134号より分かれた歩道部分からは、材木座海岸・由比ヶ浜海岸を一望できます。天候や気候が合えば富士山も望める場所で、材木座海岸から夕日を眺めるのに絶好のスポットです。
材木座海岸で見られる海浜植物
材木座海岸というと、海水浴やマリンスポーツが注目されがちですが、もちろん、普通の海岸っぽさもあります。海岸の逗子寄りの端では、ハマダイコンやハマヒルガオなどの海浜植物の群生も見られます。
エリア最大級の材木座駐車場
材木座海岸に車でアクセスする場合、このエリアには大きめな駐車場が二ヵ所ありますので、これらがメインの選択肢になります。
一つは、材木座海岸のもっとも逗子寄りの国道134号沿い(鎌倉から逗子方面の車線側)にある材木座駐車場(普通車:63台)です。
もう一つは、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区の地下にある、由比ガ浜地下駐車場(普通車:188台)です。こちらも国道134号からアクセスできます。
材木座駐車場は24時間営業、由比ガ浜地下駐車場(夜間は閉鎖)は駐車可能台数が多いという特徴がありますので、立地とともにこれらの特徴をふまえて利用すると良いでしょう。どちらとも、夏季や大型連休はもちろんのこと、波が良い日も混雑しています。