逗子・葉山エリアのパワースポットと言えば、森戸大明神(森戸神社)が定番でしょう。源頼朝が創建したという歴史的背景からも、富士山をバックにして境内の沖合に浮かぶ名島(菜島)の竜宮様のヴィジュアル的にも、そのパワーは抜きん出た存在と言えるかもしれません。
しかし、逗子・葉山エリアには、まだまだスケールの大きなパワースポットがあります。現存する神奈川県内最大級の前方後円墳である長柄桜山古墳群や、約300万年前に深海だったころの地層から見つかったシロウリガイの化石からなる巨岩がある池子の森自然公園など、時空を超えたガチのパワースポットが点在しています。
なお、この特集は心霊スポットの紹介ではありませんので、歴史上の人物の墓所や戦争遺跡などは積極的に扱っていません。鎌倉時代の武将の墓所にご興味がある方は、以下の特集記事もご覧ください。
▼最新版はこちら▼
マップは、スマートフォンやタブレットでは二本指で操作できます。
INDEX
一色海岸・龍宮様
一色海岸南端にある小磯の鼻の横にある小島には、赤い鳥居と小さな祠があります。ここには龍宮様が祀られていて、毎年1月11日には神事が行われます。
龍宮様は航海の安全と豊漁をお祈りする海の神様で、古くから漁師さんをはじめとした地域の人たちから信仰を集めてきました。
葉山の海では、一色海岸以外にも、森戸大明神(森戸神社)沖の名島(菜島)や長者ヶ崎の磯にも龍宮様(竜宮様)が祀られていますが、陸路で近づけるのは一色海岸だけです。(2022年12月現在、長者ヶ崎の岬部分は立入りが禁止されています)
●住所
三浦郡葉山町一色
●拝観料
無料
●駐車場
あり(近隣に公共の駐車場やコインパーキングあり)
●公共交通機関
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急逗子線「逗子・葉山駅」より京急バス「海岸回り葉山」行きにて『一色海岸』下車
または「長井」行き、「佐島マリーナ入口」行き、「横須賀市民病院」行きなどの山手回り長井方面行きにて『葉山』下車
森戸海岸・森戸大明神
富士山を借景に沖合に浮かぶ名島(菜島)の竜宮様を含めて、森戸大明神(森戸神社)は葉山を代表するパワースポットです。
森戸大明神は、源頼朝が三嶋明神(三島大社)の分霊を勧請して創建した神社です。伊豆に流されていた頼朝は、流刑地にほど近い場所にあった三嶋明神を深く信仰して、源氏再興を祈願していました。その願いが叶うと、頼朝は、鎌倉からほど近い葉山に、森戸大明神を創建しました。
鎌倉時代には、森戸大明神の隣りにある森戸海岸では、厄災が生じると加持祈祷が行われる、七瀬祓いの霊所(鎌倉の七瀬)の一つに数えられていました。このような場所であったため、「みそぎ(禊)」も頻繁に行われていました。これが、森戸大明神の境内と森戸海岸を結ぶ橋が「みそぎ橋」と名付けられているゆえんです。
●住所
三浦郡葉山町堀内1025 ※森戸大明神(森戸神社)の情報(以下、同様)
●拝観料
無料(志納)
●駐車場
あり
●公共交通機関
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急逗子線「逗子・葉山駅」より京急バス「海岸回り葉山」方面行きにて『森戸神社』下車
不動の滝・瀧不動堂
不動の滝は、葉山・木古庭にある、三浦半島では数少ない自然の滝です。近くには不動明王を祀る瀧不動堂(木古庭の不動尊)があり、古くから修験道の場だったようです。
江戸時代の宝永年間に起きた大干ばつの際には不動明王に祈ったところ湧き水の量が増して農作物を収穫できたとか、不動の滝に打たれて病が治ったという者も多く、五穀豊穣や無病息災などのご利益を求めて、参拝者も多かったようです。
瀧不動堂は、源頼朝が平家討伐の旗揚げをしたとき、まだ平家方についていた畠山重忠が源氏方の三浦一族と戦い勝った後、自身の守り本尊である不動明王を勧請したという由緒があります。不動の滝は、その際、一夜にして山から清水が湧き出て生まれたという伝説が残っています。
●住所
三浦郡葉山町木古庭小字大沢926 ※瀧不動堂
●拝観料
無料(志納)
●駐車場
なし
●公共交通機関
逗子方面からバス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急逗子線「逗子・葉山駅(南口)」より京急バス「衣笠駅」行きにて『境橋』もしくは『不動橋』下車、徒歩約12分
衣笠方面からバス利用の場合
JR横須賀線「衣笠駅」より京急バス「逗子駅」行きにて『不動橋』もしくは『境橋』下車、徒歩約12分
汐入方面からバス利用の場合
京急線「汐入駅」から京急バス「湘南国際村センター前」行きにて『不動橋』もしくは『境橋』下車、徒歩約12分
周辺の見どころ
上山口の棚田
長柄桜山古墳群
長柄桜山古墳群は、逗子市と葉山町にまたがる丘陵地にある前方後円墳で、現存する神奈川県の古墳としては最大級のものです。神奈川県最大級のパワースポットとも言えるでしょう。
葉桜住宅の西端近くの第1号墳と、逗子海岸近くの蘆花記念公園の裏山にあたる場所にある第2号墳の、2基の古墳から構成されています。
長柄桜山古墳群のふもとを流れる田越川流域は、古代から人が生活していた痕跡を示す遺跡が多く見つかっています。
残念ながら、長柄桜山古墳群の埋葬者は特定されていません。このあたりには、京から三浦半島を横断して海路で房総半島に抜ける古東海道が走っていたと推定されているため、長柄桜山古墳群も中央政権(ヤマト政権)と深い関係があった人物であることが考えられます。
●住所
逗子市桜山7丁目、他
●拝観料
無料
●駐車場
なし
●公共交通機関
第1号墳(葉桜住宅寄り)
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急逗子線「逗子・葉山駅(北口)」より京急バス『葉桜』行きに乗車して終点下車、徒歩約10分
第2号墳(逗子海岸寄り)
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急逗子線「逗子・葉山駅(南口)」より京急バス「葉山」行きなどの海岸回り葉山方面行きで『富士見橋』下車して、「蘆花記念公園」を経由して、徒歩約20分
※この他に、六代御前の墓の横や、桜山隧道/新桜山隧道の葉山側・逗子側それぞれの入口付近にも登り口があります。
※第1号墳と第2号墳は、尾根沿いの道で行き来できます。距離は500mほどです。
池子の森・シロウリガイの化石
長柄桜山古墳群から出土した埴輪などの副葬品は、池子の森自然公園内にある池子遺跡群資料館で見ることができます。
池子の森は、江戸時代には水戸徳川家の影響下にあり、近代には旧日本軍や在日米軍の弾薬庫の設置、米軍家族住宅の建設など、周囲のエリアとは違う数奇な運命をたどってきた場所です。
この池子の森では、昭和後期から平成前期に、米軍家族住宅の開発前に行われた発掘調査で、シロウリガイ類の化石が発見されました。シロウリガイは深海のプレート活動に伴うごく限られた場所に生息する二枚貝です。
池子遺跡群資料館の裏手にある池子の森自然公園・テニスコートの外れには、発掘調査で採取された、およそ300万年前にこのあたりが深海だった際の地層から見つかったシロウリガイの化石からなる巨岩が展示されています。
人類が生まれるよりはるか前の、太古の昔に生きた生命が発するパワーは、並外れたものではありません。
●住所
逗子市池子字花ノ瀬60-1
●拝観料
無料
●駐車場
あり(有料)※池子側入口のみ
●公共交通機関
池子側入口まで
京急逗子線「神武寺駅」より徒歩約10分
久木側入口まで
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」より徒歩約20分(緑地エリア開放日のみ、下記「営業時間」参照)
▼他のエリアのパワースポットはこちら▼