三浦半島をドライブするときに定番なのは、半島をぐるりと一周する国道134号です。ですが、三浦半島には国道134号以外にもドライブに最適な道がたくさんあります。渋滞していることが多い国道134号はあえて迂回して、快適なルートを選べば、ドライブもよりいっそう楽しいものになるでしょう。
この記事では、そんな、できるだけ快適にドライブできる三浦半島の道を厳選して紹介します。葉山の海岸沿いの道のように、ロケーションは良くても一部ですれ違いがしにくい箇所があるような道は除外しています。そのため、初心者のドライバーでも安心して走れる道ばかりのはずです。
三浦半島「ドライブ」としていますが、もちろん、ツーリングやサイクリングにもおすすめな道ばかりです。ランニングやウォーキングでも楽しめるはずです。
安全運転を心がけて、海あり山あり、グルメありの、楽しい三浦半島ドライブをお楽しみください!!
ぜひ、【グルメスポット編】【ドライブスポット編】もあわせてご覧ください。
INDEX
馬堀海岸(まぼちょく)
ヤシの木が立ち並ぶ日本離れした雰囲気が人気の直線道路
馬堀海岸は、三浦半島の東京湾側のちょうど中央あたりに、東西に続く海岸です。馬堀海岸の海岸線に沿って走る国道16号は、約1,600mに渡ってほぼ一直線に続くため、通称「まぼちょく」と呼ばれています。その全線に渡ってフェニックス(ヤシの木)が植えられていて、日本離れした雰囲気のドライブを楽しめるのが人気の道です。
馬堀海岸の国道16号沿いには、海岸側に遊歩道も整備されていて、JR横須賀駅から観音崎まで続く「10,000メートルプロムナード(愛称:うみかぜの路)」の一部になっています。
周辺のおすすめスポット
走水水源地公園
走水水源地公園は、馬堀海岸の観音崎寄りにある、海に面した芝生広場が心地よい公園です。春には桜並木でお花見を楽しめる、三浦半島を代表する桜の名所です。
走水水源地公園は、旧横須賀軍港(横須賀製鉄所、後の横須賀造船所)へ水を供給するために明治時代から整備が開始された、横須賀水道発祥の地にあります。駐車場の一角では、この地から湧き出る水をベースとした「ヴェルニーの水」を無料で汲むことができます。
駐車場 あり
観音崎通り(走水~たたら浜~観音崎大橋)
絶対に外せない透明度バツグンの海上を駆け抜ける道
観音崎通りは、観音崎の海岸線沿いを走る通りです。観音崎レストハウス前の交差点から観音崎大橋交差点の間は、内陸を走るルートが県道209号となっていて、路線バスも県道を通りますが、観音崎通りは海側のルート(たたら浜~観音崎大橋)をとります。
たたら浜から観音崎大橋にかけての海岸は、クルマの車内からでも分かるほど、水の透明度が高くキレイです。観音崎大橋は、海に囲まれた三浦半島でもめずらしい、海の上すれすれを走れる道で、海沿いのドライブルートでは外したくない道です。
周辺のおすすめスポット
横須賀美術館
横須賀美術館は、東京湾に面した、絶景の美術館です。毎回趣向を凝らした展覧会が開催されているのはもちろんのこと、入場無料で楽しめる屋上広場やペントハウスも浦賀水道を行き交う船を眺められる絶景スポットとしておすすめです。
駐車場 あり
県立観音崎公園
県立観音崎公園は、東京湾に突き出た岬の自然をいかした、神奈川県最大の県立公園です。海岸で磯遊びを楽しめる他、旧日本軍の砲台跡の遺跡が点在する山の中をハイキングすることもできます。
また、県立観音崎公園は、春は桜、初夏はあじさい、冬は水仙を楽しめる、三浦半島屈指の花の名所でもあります。
駐車場 あり
たたら浜
たたら浜は、観音崎の岬の浦賀・久里浜寄りに広がる海岸です。三浦半島ではめずらしい白砂の美しいビーチは、駐車場も併設されています。
三浦半島には絶景のビーチや穴場として紹介される海岸がいくつかありますが、クルマでのアクセスの良さと環境の美しさのバランスでは、たたら浜は確実にベスト3に入るでしょう。
駐車場 あり
北下浦海岸通り(野比海岸)
三浦半島最長の海沿いの人気ドライブコース
北下浦海岸通り(県道212号)は、久里浜の火力発電所がある千駄ヶ崎から京急久里浜線YRP野比駅が最寄りの野比海岸公園付近までの、野比海岸沿いの通りです。野比海岸からその南側の津久井浜海岸にかけての海岸を総称して、北下浦海岸と呼んでいます。
とくにこの野比海岸沿いの通りは、交通量が少なく、信号や大きな交差点がない直線道路で、とても走りやすい人気のドライブコースです。連続して海のすぐ横を走る道路としては、三浦半島で最長の区間でもあります。
北下浦海岸通りは、通称「水仙ロード」とも呼ばれていて、1月~2月には約300万株のスイセンが見ごろを迎えます。
周辺のおすすめスポット
野比海岸公園
野比海岸公園は、野比海岸のもっとも津久井浜・三浦海岸寄りにある公園です。観光客が訪れるような公園ではありませんが、海に面していて、のんびりと過ごせる穴場の公園です。
野比海岸公園には、公園としての駐車場はありませんが、北下浦海岸通り駐車場が隣接しています。
駐車場 あり
※北下浦海岸通り駐車場(年末年始と7月・8月以外は土日・祝日のみ営業)
みなとオアシス”ペリー久里浜”
北下浦海岸通りからは外れますが、その久里浜寄りの海岸周辺は、国土交通省が定める「みなとオアシス」に「みなとオアシス”ペリー久里浜”」として登録されています。
「みなとオアシス”ペリー久里浜”」という特定の施設が存在するわけではなく、代表施設である東京湾フェリー久里浜ターミナルを中心に、温浴施設や海鮮料理を味わえる飲食施設、工場直営のコロッケやケーキの直販所などの、複数の独立した店舗などで構成されています。
駐車場 あり(公園などの一部施設はなし)
毘沙門バイパス
アップダウンとワインディングをくり返す楽しいドライブルート
毘沙門バイパス(県道215号)は、三浦半島最南端を走る道路です。三浦半島南部の地形はリアス海岸となっていて、この海岸線に沿っている毘沙門バイパスも、アップダウンとワインディングをくり返す道です。ですが、すれ違いが困難な箇所もある旧道に対して整備された、高架橋が連続する「バイパス」のため、決して運転がしにくい道というわけではありません。
毘沙門バイパスは、畑が広がる台地と小さな入り江がくり返し現われる、三浦半島らしい景観の中を駆け抜ける、楽しいドライブコースです。
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松輪江奈漁港
松輪江奈漁港は毘沙門バイパス沿いにある小さな漁港です。
松輪江奈漁港で水揚げされる「松輪サバ」は、品の良い脂がのったその味はもちろん、漁獲量の少なさによる希少性から、「松輪の黄金サバ」などとも呼ばれるマサバの高級ブランドとして有名です。松輪江奈漁港の近海で一本釣りされたサバは、一切人の手に触れることなく氷を効かせた漁船内の水槽へ入れられるというこだわりようで、「西の関サバ」「東の松輪」とも称されます。
松輪江奈海岸近くのレストラン「地魚料理 松輪」では、この松輪サバをはじめとした三浦で水揚げされた新鮮な魚介類を味わうことができます。松輪サバの旬は、例年、9月から11月にかけてです。
駐車場 あり ※2023年12月1日より有料化
宮川公園
毘沙門バイパスのランドマークとなっているのが、二基の風力発電の風車が設置されている宮川公園です。この辺りの幹線道路沿いではめずらしい無料駐車場がありますので、ドライブやツーリングの人気の休憩スポットでもあります。
公園の先端にある展望台からは、太平洋の絶景を楽しめます。
駐車場 あり
城ヶ島大橋
海面から20m以上の高さを通る景色バツグンの橋
城ヶ島大橋は、三浦半島とその南部に浮かぶ城ヶ島を結ぶ唯一の橋です。三崎マグロの水揚げで有名な三崎漁港を利用する大型の船舶が橋下を通行することを可能にするため、城ヶ島大橋は、橋脚のスパンや海上からの高さが大きく確保されています。そのため、城ヶ島大橋の橋上からの景色は抜群です。
以前はクルマの通行は有料でしたが、2020年4月から無料開放されました。城ヶ島大橋は、自転車や徒歩での通行も可能です。
周辺のおすすめスポット
県立城ヶ島公園
県立城ヶ島公園は、城ヶ島の東側の岬一帯に広がる風光明媚な公園です。神奈川県最南端の地でもあります。
太平洋に面した海岸では、磯遊びを楽しめます。波や風が強いことが多いですので、なるべく陸側の入り江で遊ぶことをおすすめします。
城ヶ島は、県の天然記念物であるウミウやクロサギの生息地になっていて、毎年冬にはウミウ展望台から鳥たちを遠望できます。
駐車場 あり
城ヶ島灯台
城ヶ島灯台は、城ヶ島の西側に建つ灯台です。県立城ヶ島公園内に建つ安房埼灯台とともに、「恋する灯台」(日本ロマンチスト協会と日本財団による恋する灯台プロジェクト)の一つに認定されています。
城ヶ島には、西側と東側それぞれに複数の公営駐車場がありますが、城ヶ島ワンデーパス(一日共通駐車券)を利用すれば指定の駐車場であれば1日に何度でも入出場できますので、クルマ移動でもおトクにめぐれます。
駐車場 あり
西海岸線(三崎港~油壺)
古くからのリゾート地の雰囲気を感じられるドライブルート
西海岸線は、三崎港から油壺までの、相模湾沿いを走る通りです。途中に入り江にはヨットハーバーがあり、古くからリゾート地として人気があったこの辺り独特の景観が見られます。
三崎港から横須賀や葉山方面へ向かう場合は県道26号で引橋方面に行くのが一般的ですが、ドライブを楽しみたいのであれば、西海岸線へ迂回するルートも候補に入れてみると良いでしょう。
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三崎港・うらりマルシェ
三崎港が、西海岸線のスタート地点です。名物の三崎マグロを味わえる飲食店が軒を連ねているのはもちろんのこと、うらりマルシェではおみやげも豊富に取りそろえています。
普通のスーパーや魚屋さんではお目にかかれないようなマグロのめずらしい部位もたくさん販売されています。おすすめの料理や調理の仕方は、店員さんに質問して教えてもらいましょう。
駐車場 あり
油壺の海岸(荒井浜・胴網・横堀)
西海岸線のゴールは、油壺です。油壺には、荒井浜・胴網・横堀という、3つの小さな海岸があります。いずれも、砂浜と磯遊びができる岩場が半々くらいの海岸です。
海水浴シーズンには、海の家が開設される海岸があれば開設されない海岸もあり、3つの海岸は似ているようで、個性もあります。三浦市油壺駐車場を中心に、それほど離れていない場所にありますので、3つの海岸をめぐってみて、ぜひ、お気に入りのビーチを見つけてみてください。(海水浴場や海の家の開設情報は、特集記事「三浦半島ビーチカタログ」をご覧ください)
駐車場 あり(三浦市油壺駐車場など)
長井海岸線(荒崎公園~長井港)
古き良き三浦半島西海岸の雰囲気が漂う田舎道
荒崎公園から長井港にかけての海岸線沿いの道は、これまでに紹介してきた道のなかでは一番走りにくい道かもしれません。この通りは、三浦半島のノスタルジックな漁村の雰囲気をよく残した道です。
ロケーションは葉山の海岸沿いの道によく似ていますが、こちらの通り沿いにはオシャレなショップは建ち並んでいません。大きな開発もされていなければ、大きな衰退もしていない、いわば、リアルな昭和レトロの道です。漁船の向こう側にただ富士山が浮かび上がる光景は、今も昔も変わることがない、三浦半島西海岸の原風景です。
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荒崎公園
荒崎公園は、その名前のとおり、荒々しい岩礁が続く海岸に囲まれた公園です。変化に富んだ海岸は、磯遊びに最適です。
相模湾を見下ろす高台は、三浦半島を代表する夕日スポットでもあります。
駐車場 あり
長井海の手公園 ソレイユの丘
今回のルートからは少し外れますが、長井海の手公園 ソレイユの丘も、ぜひ、ドライブで立ち寄りたい定番スポットです。
2023年4月のリニューアルでは、これまでの魅力はそのままに、大型アスレチックやジップラインなど新たなアトラクションも導入されました。
クルマを横付けできるバンガローやグランピングコテージなどもありますので、宿泊場所として、ドライブのゴールに選ぶのも良いでしょう。
駐車場 あり