県立塚山公園は、京急線の安針塚駅や逸見駅の山側に位置する、横須賀市内屈指の桜の名所として親しまれている公園で、「かながわの景勝50選」に選ばれています。眺望が良い公園としても知られていて、港の見える丘からは房総半島や横浜を一望でき、眼下に見える横須賀港の艦船もよく見えます。
園内には国指定史跡に指定されている三浦按針夫妻の供養塔があります。
三浦按針はイギリス人(イングランド人)で、本名はウィリアム・アダムスと言います。三浦按針は、オランダのロッテルダムから極東を目指して航海に出て、日本にたどり着きました。当初は帰国を願い出たものの叶わず、当時の三浦郡逸見村に領地を与えられ、徳川家康の外交顧問として活躍しました。また、三浦按針は、江戸幕府に砲術や造船術などの西洋文明も伝えました。
その功績をたたえて、毎年4月上旬には「三浦按針祭観桜会」が開かれています。
例年、桜が開花する頃に開催されている「塚山公園さくら祭」は、多くの花見客でにぎわいます。「塚山公園さくら祭」開催中は、夜は提灯に明かりが灯されて、桜の花が幽玄に浮かび上がります。
2023年の「第76回塚山公園さくら祭」は、3月25日土曜日から4月8日土曜日まで開催が予定されています。最終日の4月8日土曜日には「三浦按針祭観桜会式典」が開催されます。
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横須賀市内屈指の桜の名所

塚山公園は横須賀市内屈指の桜の名所として知られています。毎年満開になると、小高い山全体が薄いピンク色に染まります。
塚山公園はソメイヨシノで、「かながわの花の名所100選」に選ばれています。園内では、ソメイヨシノの他にも、オオシマザクラやヤマザクラ、枝垂れ桜など、定番の桜たちを見ることができます。

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三浦按針夫妻の墓

公園内のひと際高い場所には、三浦按針(ウィリアム・アダムス)とその妻の墓(供養塔)とされる「按針塚(安針塚)」があります。
この地で供養されているのは、三浦按針の領地であった逸見に近いことと、江戸を一望できる場所に葬ってほしいという本人の遺言によるものであると伝えられています。
イチョウやモミジ、桜の色とりどりの紅葉

塚山公園は桜の名所として知られていますが、秋の紅葉もキレイです。三浦按針夫妻の墓の前でイチョウを、見晴台の近くでモミジを楽しめます。もちろん、桜の木の紅葉も見ごたえがあります。

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数多くあるビュースポット

小高い山にある塚山公園には、いくつもの展望台があり、横須賀港や東京湾を中心に、すばらしい眺めを見ることができます。
とくに海上自衛隊の横須賀本港・吉倉桟橋を眼下に望むことができる場所のため、船舶好きの方やミリタリーファンの方にオススメです。


かつての浦賀道最大の難所
かつての東海道の脇街道の一つである「東回り浦賀道」(江戸などから三浦半島の東京湾側を通って浦賀奉行所に向かうルート)は現在の塚山公園内を通っていました。
近くの十三峠をはじめ、急なアップダウンが続くこの付近は「東回り浦賀道」最大の難関として知られていた場所で、ここを避けたいがために、相模湾側から三浦半島を横断して浦賀に通じる「西回り浦賀道」のほうが主流だったと言われています。
県立塚山公園の最寄り駅は京急線の安針塚駅と逸見駅ですが、十三峠経由でJR田浦駅へ抜けることもできます。
また、駅とは反対側に向かって公園がある山を下りて行くと、横須賀しょうぶ園や大楠山、三浦アルプス(二子山山系)へ進むルートもあります。



