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長勝寺 | 日蓮聖人と四天王の銅像が出迎えてくれる松葉ヶ谷草庵跡

長勝寺(撮影日:2016.04.23) 鎌倉
長勝寺(撮影日:2016.04.23)

長勝寺ちょうしょうじは、鎌倉時代の中頃に、日蓮宗(法華宗)の宗祖である日蓮が、鎌倉で布教を開始した際に、この地の領主で、日蓮に深く帰依した石井長勝が自邸に小庵を建てて寄進したのがはじまりと伝わる寺院です。

長勝寺は、もとは本国寺(現在、京都市山科区にある本圀寺)という名前の寺院でした。しかし、本国寺は、南北朝時代の1345年(貞和元年/興国6年)に、室町幕府初代将軍・足利尊氏の叔父にあたる日静によって幕府のある京都に移されました。
荒廃していたその跡地に、日隆によって石井長勝の名にちなみ「長勝寺」として復興されたのが、現在の長勝寺です。

長勝寺の現在の行政上の所在地は鎌倉市材木座ですが、かつては、大町名越に含まれていた場所で、松葉ヶ谷まつばがやつと呼ばれる谷戸に含まれています。
この松葉ヶ谷や、日蓮が辻説法を開いていたとされる、この近くの小町大路沿いには、日蓮宗の寺院日蓮ゆかりの場所が数多く残っています。

山号石井山
宗派日蓮宗
寺格
本尊大曼荼羅
創建1253年(建長5年)
開山中興:日隆
開基石井長勝

毎年2月11日に長勝寺で執り行われる「大国祷会成満祭だいこくとうえ じょうまんさい」は、千葉県市川市の法華経寺で、極寒の中、100日間の荒行を終えた修行僧が、日蓮が唱えた立正安国世界平和を祈念し、最後の仕上げに水行を行う儀式です。歴史ある寺院の多い鎌倉ですが、現在でも大きな行事として水行が続けられている例はそれほど多くありません。

長勝寺・水行場(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・水行場(撮影日:2023.11.27)
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日蓮聖人と四天王の銅像と帝釈天大堂

日蓮聖人と四天王の銅像

長勝寺・日蓮聖人と四天王像(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・日蓮聖人と四天王像(撮影日:2023.11.27)

長勝寺は、同じ松葉ヶ谷にある、安国論寺妙法寺とともに、鎌倉入りした日蓮松葉ヶ谷草庵跡とされる、日蓮ゆかりの寺院です。

長勝寺の境内中央には、日蓮聖人と四天王の銅像が鎮座しています。
このうち日蓮辻説法像は高さ4mにも及ぶ迫力ある銅像で、日蓮が足を洗ったという言い伝えがある東京の洗足池から移されたものです。日蓮辻説法像の作者は、上野恩賜公園西郷隆盛像などを手がけた彫刻家・高村光雲です。

帝釈天大堂

長勝寺・帝釈天大堂(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・帝釈天大堂(撮影日:2023.11.27)

日蓮聖人と四天王の銅像の背後に建つ帝釈天大堂の名前は、日蓮が唱えた「立正安国論」の中で念仏批判をされた念仏者たちに襲われた松葉ヶ谷法難の際、日蓮を導いて難を逃した白猿帝釈天の使いであるという言い伝えに由来します。

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神奈川県唯一の中世五間堂・法華堂(祖師堂)

長勝寺・法華堂(祖師堂)(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・法華堂(祖師堂)(撮影日:2023.11.27)

長勝寺法華堂(祖師堂)は、鎌倉でも数えるほどしか残っていない室町時代末期のものと見られる唐様建築です。神奈川県唯一の中世五間堂とされ、県の文化財に指定されています。

法華堂(祖師堂)の前では、春には境内のを、晩秋にはモミジの紅葉をたのしめます。

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長勝寺境内の見どころ

山門

長勝寺・山門(撮影日:2023.04.24)
長勝寺・山門(撮影日:2023.04.24)

本師堂(八角堂)

長勝寺・本師堂(撮影日:2023.04.24)
長勝寺・本師堂(八角堂)(撮影日:2023.04.24)

久遠堂

長勝寺・久遠堂(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・久遠堂(撮影日:2023.11.27)

梵鐘

長勝寺・梵鐘(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・梵鐘(撮影日:2023.11.27)

六地蔵

長勝寺・六地蔵(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・六地蔵(撮影日:2023.11.27)

赤木圭一郎の胸像

長勝寺・赤木圭一郎の碑(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・赤木圭一郎の胸像(撮影日:2023.11.27)

赤木圭一郎(本名:赤塚親弘)は、21歳という若さでこの世を去った映画俳優です。石原裕次郎小林旭に続く日活のアクション俳優と期待されたスターで、トニーの愛称で親しまれていました。赤木圭一郎は高校時代まで鎌倉や藤沢などで過ごしていて、この辺りにゆかりのある人物です。

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長勝寺の大イチョウ

長勝寺・山門と大イチョウ(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・山門と大イチョウ(撮影日:2023.11.27)

長勝寺山門近くには、大町・名越周辺ではもっとも大きなイチョウの木が立っています。晩秋に黄金色に輝くと、この長勝寺大イチョウは、周辺のどこからでも目立つ、まちのシンボルツリーのような存在です。

長勝寺・法華堂(祖師堂)寄りの大イチョウを見上げる(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・法華堂(祖師堂)寄りの大イチョウを見上げる(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・法華堂(祖師堂)越しの大イチョウ(撮影日:2023.11.27)
長勝寺・法華堂(祖師堂)越しの大イチョウ(撮影日:2023.11.27)

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【2024 No.12】特集 | 晩秋の鎌倉・モミジ&カエデの紅葉
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長勝寺周辺の見どころ

小町大路・大町大路周辺の日蓮ゆかりの寺院

安国論寺
安国論寺あんこくろんじは、鎌倉時代の中頃に、日蓮宗(法華宗)の宗祖である日蓮が、鎌倉で布教を開始した際に草庵を結んだ場所に建てられた寺院です。日蓮は、安房国(現在の千葉県、房総半島南部)の清澄寺...
妙法寺(苔寺)
妙法寺みょうほうじは、鎌倉時代の中頃に、日蓮宗(法華宗)の宗祖である日蓮聖人が、鎌倉で布教を開始した際に拠点として選んだ松葉ヶ谷まつばがやつに、小庵を結んだ地とされています。南北朝時代の1357...
本興寺・日蓮辻説法の碑
本興寺ほんこうじは、鎌倉幕府滅亡後の1336年(延元元年)に、日蓮聖人の直弟子である天目が、かつて、日蓮が辻説法をしていた小町大路沿いに創建した寺院です。この辺りは、ともに鎌倉幕府によって整備さ...
妙長寺
妙長寺みょうちょうじは、若宮大路の東側を並行して走る小町大路沿いに建つ日蓮宗の寺院です。境内の前に建つ日蓮聖人の銅像が目をひきます。現在の妙長寺は材木座の海岸線から離れた場所にありますが、以前は...
妙本寺・比企一族の墓
妙本寺みょうほんじは、源頼朝に仕えた鎌倉幕府の有力御家人・比企能員ひき よしかずの屋敷跡に日蓮が開山となって創建された、日蓮宗最古の寺院の一つです。日蓮は比企氏の屋敷があった比企谷ひきが...
本覚寺(東身延)
本覚寺ほんがくじは、源頼朝が幕府の裏鬼門の地に創建して、日蓮も一時滞在していた夷堂えびすどうがあった場所に建つ、日蓮宗の寺院です。日蓮宗総本山の身延山から日蓮の遺骨が分骨されているため、「東身延...

材木座周辺

由比若宮(元八幡、元鶴岡八幡宮)
由比若宮ゆいわかみや(元八幡)は、源頼朝の5代前の祖先にあたる源頼義が、京都の石清水八幡宮から河内源氏の氏神である八幡神を勧請して鎌倉の由比郷に祀ったのがはじまりです。戦の鎮圧に中心的役割を果た...
来迎寺(材木座)
来迎寺は、鎌倉幕府創設の礎となった三浦大介義明の霊を弔うために、源頼朝が開基となって能蔵寺を建立したのがはじまりです。はじめは真言宗の寺院でしたが、頼朝の死後、音阿上人が時宗に改宗し、来迎寺に改...
五所神社
五所神社ごしょじんじゃは、1908年(明治41年)に、旧乱橋みだればし村と旧材木座ざいもくざ村にあった5ヵ所の神社を合祀して、旧乱橋村の鎮守・三島神社があった場所に、旧材木座村の鎮守・諏訪神社の...
光明寺
光明寺は、材木座の海岸からほど近い場所にある浄土宗の大本山です。鎌倉でも規模が大きい寺院の一つに数えられますが、他の大寺院の多くは内陸部の谷戸にあり、これほど海の近くにある大寺院は見られません。...
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材木座海岸ざいもくざ かいがんは、鶴岡八幡宮や鎌倉駅方面から若宮大路を南に下った先の、向かって左側に広がっている海岸です。鎌倉の中心部を南北に貫いている若宮大路は、海に近くなると滑川なめりがわが並行...
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由比ヶ浜海岸ゆいがはま かいがんは、鶴岡八幡宮や鎌倉駅方面から若宮大路を南に下った先の、向かって右側に広がっている海岸です。鎌倉の中心部を南北に貫いている若宮大路は、海に近くなると滑川なめりがわが並...

DATA

住所 鎌倉市材木座2-12-17
アクセス
行き方

●徒歩の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約18分

●バス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「緑ヶ丘入口」行きで『長勝寺』下車徒歩約1分

駐車場 あり
営業時間

<拝観時間>
9:00~16:00

料金

無料(志納)

電話番号 0467-25-4300
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