貝吹地蔵は、天園ハイキングコースの天園~瑞泉寺口間のちょうど中間付近に建つお地蔵様です。
鎌倉幕府が滅亡した1333年(元弘3年)、新田義貞らによる鎌倉攻めで最期を悟った鎌倉幕府第14代執権・北条高時ら北条一門は、北条得宗(嫡流)家の菩提寺である東勝寺で自害したと言われます。その際、北条高時ら武将の首は、敵に渡さないように家来が持って逃げましたが、首を埋める場所を決めあぐねていました。
そのとき、お地蔵様が現われて、瑞泉寺の裏山に埋めるようにと、貝を吹きながらこの地へ導いてくれたため、北条高時らの首は敵に見つかることなく埋めることができたと言います。
貝吹地蔵は、後に、北条高時ら首を無事に埋めることができたお礼に、その首塚の近くに安置されたものです。
貝吹地蔵から天園ハイキングコースを瑞泉寺方面に少し下った先には、北条一門の墓を示す、江戸時代後期に整備された道標が立っています。ハイキングコースから外れて、その道標が示す方向へ歩いて行くと、山間の崖に、北条高時ら北条一門の墓と伝わる北条首やぐらがあります。
天園ハイキングコースの見どころ
「鎌倉アルプス」とも言われる天園ハイキングコースは、鎌倉市街地の背後にそびえる山々を横断するハイキングコースです。
そのため、鎌倉・二階堂方面や北鎌倉方面の寺院などを行き来するアクセス路としても利用できます。
また、東に進むと、鎌倉市最高峰の大平山や天園を経由して、横浜自然観察の森や金沢市民の森、横浜市最高峰の大丸山、金沢自然公園(金沢動物園)などの横浜・金沢区方面に抜けることができます。