鎌倉花火大会は、鎌倉海岸(由比ヶ浜海岸・材木座海岸)で開催される、鎌倉の夏の風物詩です。近年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響などによって中止されてきましたが、2024年は5年ぶりの開催が予定されています。
2024年の鎌倉花火大会の打ち上げ発数は、約2,500発が予定されています。打ち上げ発数の規模としてはそれほど大きくはありませんが、海上で扇形に広がる水中花火など、見どころの多い花火大会です。
鎌倉花火大会の定番スポットは、主催者が花火大会会場としている、鎌倉海岸(由比ヶ浜海岸・材木座海岸)になります。広い砂浜を持ち、例年夏には海水浴場も開設されるこの鎌倉のメインビーチは、長い海岸線のどこから見てもベストスポットで見られます。砂浜での観覧はもちろん、海の家で見られるのも、夏に開催される鎌倉花火大会ならではの楽しみ方でしょう。
鎌倉海岸の両端にある、鎌倉海浜公園坂ノ下地区と小坪飯島公園の2つの公園も、花火が打ち上げられる海に面していますので、キレイに見られます。鎌倉海岸のちょうど中央に位置する鎌倉海浜公園由比ガ浜地区も、直接海には面していないものの、間近で迫力ある花火を見られます。
鎌倉花火大会の穴場スポットは、花火の打ち上げ場所からは少し離れた高台などにあります。距離が離れれば見られる花火の大きさもそれなりになりますし、水中花火などは見えにくくなりますが、会場周辺よりは混雑を避けられるメリットも大きいです。記事後半の穴場スポットの紹介では、なるべく混雑を避けるためのヒントにも触れています。
鎌倉花火大会は、目玉の一つである水中花火など、海上近くの低い位置で打ち上げられる花火が多いのも特徴です。
これらは正面から見たときにもっともキレイに見られるようにデザインして打ち上げられますので、より花火をキレイに見られるようにこだわりたい場合は、やはり、打ち上げ場所正面にあたる鎌倉海岸(由比ヶ浜海岸・材木座海岸)がベストです。
マップは、スマートフォンやタブレットでは二本指で操作できます。
INDEX
鎌倉花火大会の有料観覧席について
2024年の鎌倉花火大会では、有料観覧席(イス席/指定席)とクラウドファンディングの返礼品として砂浜シート席(ペア席・グループ席)が設定されます。
※クラウドファンディングは、花火大会が中止となった場合でも払い戻しはありません。
有料観覧席
発売開始日 2024年6月15日(土)~予定
座席場所 海浜公園海側エリア(イス席・指定席)
※2024鎌倉花火大会の有料観覧席の場所は、由比ヶ浜海岸上/鎌倉海浜公園由比ガ浜地区前の、普段は駐輪場として利用されている広場です。
砂浜シート席(クラウドファンディング)
発売開始日 2024年5月23日(木)17:00~
返礼品例 砂浜シート席+鎌倉銘菓70周年特別セット、砂浜シート席+シャツ生地扇子、砂浜シート席+鎌倉市内お食事券、サポーターズ花火(5号玉or7号玉or尺玉)+メッセージ入り花火レプリカ玉+観覧席 など
※2024鎌倉花火大会のクラウドファンディング返礼・砂浜シート席の場所は、材木座海岸の由比ヶ浜寄り砂浜内です。
鎌倉花火大会 定番の観覧スポット
由比ヶ浜海岸(鎌倉海岸 西側)
由比ヶ浜海岸は、鶴岡八幡宮や鎌倉駅方面から若宮大路を南に下った先の、向かって右側に広がっている海岸です。例年夏は由比ヶ浜海水浴場が開設されますので、海の家でも花火を観覧できます。
鎌倉花火大会の打ち上げ場所の目の前ということだけあって、会場や行き帰りのアクセスの混雑は必至です。そのようなデメリットを差し引いたとしても、花火観覧のベストスポットです。
由比ヶ浜海岸は鎌倉駅からも徒歩圏ですが、江ノ電を利用すると、駅から海への距離はより短くなります。由比ヶ浜海岸へのアクセスは、江ノ電の和田塚駅、由比ヶ浜駅、長谷駅が利用できます。
花火大会終了後は鎌倉駅に人が集中しますので、江ノ電で藤沢駅方面に抜けたほうが混雑を避けられます。
アクセス
鎌倉駅から徒歩の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅」より徒歩約20分
(東口からの場合は若宮大路を南に進む、西口からの場合は御成通りを南に進む)
鎌倉駅からバス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「小坪経由逗子駅」行き、「海岸橋循環」行き、で『海岸橋』下車徒歩約5分
江ノ電を利用する場合
江ノ電「和田塚駅」「由比ヶ浜駅」「長谷駅」それぞれより、徒歩約5~10分
(この3駅は「鎌倉駅」から遠ざかるほど海に近くなります。「長谷駅」からは徒歩5分程度です)
※バスは、交通規制の対象になる可能性があります。
材木座海岸(鎌倉海岸 東側)
材木座海岸は、鶴岡八幡宮や鎌倉駅方面から若宮大路を南に下った先、由比ヶ浜海岸とは反対側の、向かって左側に広がっている海岸です。由比ヶ浜海岸と同様に、例年夏は材木座海水浴場が開設されますので、海の家でも花火を観覧できます。
花火の観覧条件や混雑の仕方も、由比ヶ浜海岸とほぼ変わりありません。
花火大会終了後の材木座海岸からの混雑の避け方としては、バスで逗子駅方面に抜ける方法があります(ただし、バスも、交通規制や周辺道路の混雑の影響は受けることになります)。
※材木座海岸の由比ヶ浜寄りには、クラウドファンディング返礼・砂浜シート席が設けられます。
アクセス
鎌倉駅または逗子駅からバス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「小坪経由逗子駅」行き
または、JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」、京急逗子線「逗子・葉山駅(北口)」より、京急バス「小坪経由鎌倉駅」行きで
『材木座』『光明寺』『飯島』のいずれかで下車、徒歩約2分(『材木座』は海岸中央付近、『光明寺』『飯島』は逗子寄り)
鎌倉駅から徒歩の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅」より徒歩約20分
※バスは、交通規制の対象になる可能性があります。
小坪飯島公園
小坪飯島公園は、リビエラ逗子マリーナの北西の端に位置する公園です。材木座海岸に隣接していて、鎌倉市との境に近い逗子市に位置しています。
海に面した遊歩道沿いには、背の高いヤシの木が立ち並び、江の島や晴れた日には稲村ヶ崎越しの富士山を望むことができます。
鎌倉花火大会のメイン会場を正面とした場合、花火を横から見るかたちになります。そのため、複数の花火を組み合わせて見た場合は、最適な見え方とは言えないかもしれませんが、一つ一つの花火は球形ですので、どれもキレイに見られます。
リビエラ逗子マリーナを挟んだちょうど反対側(小坪漁港寄り)には、小坪海浜公園がありますが、打ち上げ場所とは反対側に開けた公園のため、花火を見やすい場所ではありません。
アクセス
逗子駅からバス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅(東口)」または京急逗子線「逗子・葉山駅(北口)」より京急バス「小坪経由鎌倉駅」行きにて
『飯島』下車徒歩約5分(小坪海岸トンネル入口右横のわき道経由)、または、『リビエラ逗子マリーナ前』下車徒歩約5分
鎌倉駅からバス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「小坪経由逗子駅」行きにて
『飯島』下車徒歩約5分(小坪海岸トンネル入口右横のわき道経由)、または、『小坪』下車徒歩約7分
※鎌倉駅からのバスは『小坪海岸』バス停を経由しません。
※バスは、交通規制の対象になる可能性があります。
鎌倉海浜公園由比ガ浜地区
鎌倉海浜公園由比ガ浜地区は、由比ヶ浜の海岸沿いにある、芝生広場や多目的グラウンド、江ノ電の旧車両「タンコロ」などからなる公園です。公園の地下は200台の車が駐車できる由比ガ浜地下駐車場になっています。
2024年2月には遊具広場がリニューアルされて、すべての人がたのしめる「インクルーシブ遊具」が追加されました。
砂浜から見るのとは違って水中花火など一部見られないものもありますが、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区からでも、じゅうぶん迫力ある花火を見られます。
※鎌倉海浜公園由比ガ浜地区前の国道134号を挟んだ駐輪場には、有料観覧席が設けられます。
アクセス
鎌倉駅から徒歩の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅」より徒歩約15分
(東口からの場合は若宮大路を南に進む、西口からの場合は御成通りを南に進む)
江ノ電を利用する場合
江ノ電「和田塚駅」または「由比ヶ浜駅」より、徒歩約5分
鎌倉海浜公園坂ノ下地区
鎌倉海浜公園坂ノ下地区は、由比ヶ浜海岸(坂ノ下海岸)の西端にある、海に面した公園です。鎌倉海浜公園は、由比ガ浜地区、坂ノ下地区、稲村ガ崎地区(稲村ケ崎公園)の3ヵ所にあり、坂ノ下地区はさらに、「三角地」と「プール前」に分かれています。
「三角地」は、由比ヶ浜海岸から続く、坂ノ下海岸に隣接していて、材木座海岸やリビエラ逗子マリーナから三浦半島西海岸方面を一望できます。
「プール前」は、その名前のとおり、鎌倉海浜水泳プールに隣接した公園です。鎌倉海浜水泳プールは、夏季のみ営業される、屋外型の市民プールです。
鎌倉海浜公園坂ノ下地区は海や空が開けた公園ですが、鎌倉の人気エリアから離れていることもあって、「スラムダンク」の聖地としては除いて、普段はそれほど人気の場所とは言えませんが、鎌倉花火大会の観覧スポットとしてはおすすめの場所の一つです。
アクセス
由比ヶ浜海岸西端に隣接する「三角地」まで
江ノ電「長谷駅」より、徒歩約8分
鎌倉海浜公園水泳プール前にある「プール前」まで
江ノ電「長谷駅」より、徒歩約15分
鎌倉花火大会 穴場の観覧スポット
源頼朝が鎌倉に幕府を開いた逸話にあるように、鎌倉は一方を海に面し、三方を山に囲まれています。しかし、鎌倉の山の上の高台には、鎌倉花火大会の会場である鎌倉海岸(由比ヶ浜海岸・材木座海岸)を望む広い場所はそれほど多くありません。
光明寺裏山や祇園山見晴台、天園ハイキングコース上の眺望スポットなど、観覧条件が良い場所もありますが、ベストスポットは数名分(2~3グループ)しかなかったり、夜間のアクセスは危険な場所は、穴場スポットしても紹介するのは避けています。また、私有地もトラブルのもとになりますので、大きめの公園や緑地を紹介しています。
稲村ヶ崎東側遊歩道
鎌倉花火大会は、七里ヶ浜海岸まで西に行くと稲村ヶ崎が陰になるのと、距離が離れるため、見えにくくなります。
また、稲村ケ崎公園(鎌倉海浜公園稲村ケ崎地区)は、花火の打ち上げ場所とは反対側に開けた公園ですので、園内は観覧スポットに適していません。
一方、稲村ヶ崎公園の裏側にあたる、由比ヶ浜に面した稲村ヶ崎東側遊歩道からは花火をキレイに見ることができます。
打ち上げ場所の目の前にあたる由比ヶ浜海岸・材木座海岸と比べると多少距離が離れることと、正面ではなくやや横目に見る形になります。
花火大会の帰りは、江ノ電の稲村ヶ崎駅を利用すれば、満員で電車に乗り切れないということもないでしょう。ただし、鎌倉駅に出れば、鎌倉駅の混雑は避けられません。帰宅方面に応じて、藤沢駅や江ノ島駅経由も検討すると良いでしょう。
アクセス
江ノ電「稲村ヶ崎駅」より徒歩約10分、「長谷駅」より徒歩約20分
大崎公園
大崎公園は、逗子湾と小坪漁港を隔てる岬の上の高台にある公園です。高級住宅地として知られる、披露山庭園住宅に隣接しています。
近くの披露山公園とともに「かながわの公園50選」と「関東の富士見百景」に選ばれています。披露山公園よりも大崎公園のほうが、鎌倉寄りにありますので、鎌倉花火大会の観覧場所としては適しています。
交通アクセスはあまり良いとは言えず、リビエラ逗子マリーナ周辺の駐車場(リビエラ逗子マリーナ駐車場、小坪海浜地駐車場、など)を利用するか、公共交通機関の場合は逗子駅か鎌倉駅からバスを利用することになります。
アクセス
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急線「逗子・葉山駅(北口)」より京急バス「小坪経由鎌倉」行きで、
『披露山入口』下車、披露山公園経由で徒歩約25分
『小坪海岸』下車、小坪漁港裏の路地経由で徒歩約15分
※バスは、交通規制の対象になる可能性があります。
披露山公園
披露山公園は、逗子湾を見下ろす、披露山の頂上にある公園です。展望台や見晴らしの良い広場があり、相模湾や江の島、富士山などの絶景が一望できます。ただし、良い場所が確保できたとしても、住吉城跡の陰になるため、水中花火は見えにくいです。
披露山公園には無料の駐車場がありますが、16:30で閉まってしまいますので、花火大会の観覧には利用できません。周辺にはコインパーキングもありませんので、基本的には、ふもとのバス停などから徒歩で登る必要があります。
日中は、逗子海岸方面の浪子不動園地などからハイキングコースでもつながっていますが、夜間は危険なためおすすめしません。
大崎公園も披露山公園も、バスで逗子駅方面に出れば駅の混雑は避けられますが、材木座海岸方面からの乗客で満員のため乗り切れない可能性も考えられます。時間はかかりますが、逗子駅まで歩くか、あえて反対の鎌倉駅に出るという選択肢もあります。
アクセス
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」または京急逗子線「逗子・葉山駅」より京急バス「小坪経由鎌倉」行きで『披露山入口』下車徒歩約15分
※バスは、交通規制の対象になる可能性があります。
浄明寺緑地
浄明寺緑地は、鎌倉逗子ハイランドの住宅地に隣接する緑地公園です。
鎌倉の浄明寺エリアと逗子の名越エリアを結ぶ尾根上にあり、気軽に自然とふれあえる場所として、近隣の住民を中心に、憩いの場となっています。
鎌倉の報国寺や衣張山方面と逗子の名越切通方面は、浄明寺緑地を経由するハイキングコースで結ばれているため、日中はハイキングやトレッキングで訪れるのもオススメです。
浄明寺緑地には、「関東の富士見百景」の案内板が建っているかまくら幼稚園裏やパノラマ台などいくつか眺望スポットがありますが、鎌倉花火大会の観覧スポットとしては水道山展望台と呼ばれる高台がおすすめです。懐中電灯は必須ですが、ハイキングコースほど細い道を通る必要もありませんので、危険度はそれほど高くありません。
※正面は木々にさえぎられるため、低い花火は見えにくいです。
アクセス
浄明寺緑地の入口付近まで
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より京急バス「ハイランド循環(鎌36)」行き、または、JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅」より京急バス「ハイランド循環(逗22)」行きで、『夕陽台公園』下車徒歩約8分
※この他に、報国寺近くから巡礼古道経由や衣張山山頂を通る平成巡礼道経由、名越切通・まんだら堂やぐら群経由のハイキングコースあり