獅子舞は、鎌倉の山で見られる一番の紅葉の名所です。獅子舞谷の山奥に、例年、11月下旬にはイチョウの黄葉が、12月上旬にはモミジの紅葉が、どちらも鎌倉で最高クラスのスケールと美しさで拡がります。
鎌倉には寺院や神社に紅葉の名所が多いですが、山の中で見られる場所はそれほど多くなく、そのなかでもイチョウもモミジも同じ場所でたのしめる獅子舞は、唯一無二の存在です。
アクセスがあまり良くないこともあり、寺院や神社の紅葉の名所に比べれば訪れる人はそれほど多くなく、静かにたのしめる紅葉の穴場でもあります。
獅子舞は獅子舞谷と呼ばれる、二階堂川の源流が流れる谷戸に位置していて、天園ハイキングコースと組み合わせて散策するのがオススメです。覚園寺口や瑞泉寺口など比較的近くの出入口との間を周遊するルートの他、北鎌倉や横浜・金沢区方面などへ横断するルートも可能です。
INDEX
2023年晩秋の獅子舞の黄葉・紅葉 見ごろ状況
【参考】2022年晩秋の獅子舞の黄葉・紅葉 ムービー
獅子舞の名物 イチョウの黄色いじゅうたん
例年11月下旬に見ごろを迎えるイチョウは、獅子舞の山道を黄色いじゅうたんで敷き詰めます。ちょうど山道沿いに立派なイチョウの木が何本かあるため、ふかふかのじゅうたんができあがります。
よく晴れた日が続いた翌日の、早朝に訪れるのがオススメです。
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壮大で幻想的な モミジの真っ赤な屏風絵
イチョウの黄葉の見ごろが終わると、美術館の企画展が入れ替わるように、今度はモミジが赤く色づきはじめます。モミジはイチョウよりも広範囲に広がっていて、獅子舞に入ると、あたり一面を美しい屏風絵に囲まれているような、幻想的な雰囲気に包み込まれます。
自然が織りなす芸術であるが故、イチョウの黄葉とモミジの紅葉を一度にたのしむという贅沢は、なかなか叶わないのですが、日によっても時刻によっても表情を変える獅子舞は、シーズン中に何度でも訪れたくなる魔性の魅力を持った場所です。
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毎年違う イチョウとモミジの競演
獅子舞では、イチョウの黄葉のピークとモミジの紅葉のピークが重なることはほぼありません。イチョウの黄葉のピークの方が、2週間前後早いことが多いようです。
黄金色に輝くイチョウの黄葉、一面に広がる落葉の黄色いじゅうたん、燃えるような真っ赤なモミジの紅葉、11月下旬から12月上旬にかけての獅子舞では、これらいずれかの組み合わせには出会うことができます。人によってベストだと思える状態は違うと思いますが、晩秋の獅子舞は、なにも見どころがなくガッカリするようなことは、まずありません。
イチョウの黄葉とモミジの紅葉、それぞれのタイミングは、年によって異なります。それはまた、同じ競演の仕方をする年は二度とないということを意味しています。ピークの合間に見られる、赤・緑・黄色のグラデーションも、獅子舞のようなスケールの大きな森林では見ごたえがあります。
獅子舞への詳しい行き方
獅子舞へは、鎌倉宮方面から(上り)と、天園方面から(下り)と、主に二通りの行き方があります。
天園ハイキングコース方面への登り口は、覚園寺口・二階堂口とも、瑞泉寺口とも違う場所のため、注意が必要です。
鎌倉宮方面から獅子舞へ上るルート
鎌倉宮方面からは、まずは永福寺跡を目指します。永福寺跡からは、瑞泉寺の方へは行かず、永福寺跡を左に見ながら道なりに進みます。亀ヶ淵橋を渡り、民家が途絶えると、いよいよ山道に入っていきます。
山道に入ると、二階堂川は沢に変わり、その沢に沿って登って行くことになります。足元がぬかるんでいることがありますので、トレッキングに適した靴や服装で行くと良いでしょう。山道に入ってから10分ほど歩くと、獅子舞にたどり着きます。
晩秋のイチョウやモミジが色づく頃はその美しさが目印になりますが、それ以外の季節でも、イチョウやモミジの大木が立ち並ぶ姿は明らかに異質な雰囲気があります。
獅子舞の先をそのまま登って行くと、天園ハイキングコースの尾根道に合流します。
ここからは、鎌倉宮を起点として獅子舞へ向かう場合の、詳しいルート案内をご紹介します。
天園方面から獅子舞へ下るルート
天園ハイキングコースから獅子舞に向かう場合は、まずは天園の分岐を瑞泉寺方面に向かい、ほどなく現われる、獅子舞への分岐を右折します。「獅子舞経由鎌倉宮」と「瑞泉寺経由鎌倉宮」と書かれた分岐を前者の方に向かいます(上記写真の分岐を右側に向かう)。
天園から獅子舞に向かう場合、大きな岩場を下らなければならない箇所がありますので、小さなお子さんやお年寄りがいる場合、鎌倉宮方面から上ったほうが良いと思います。
名前の由来となった 獅子岩
天園と獅子舞のあいだの山道沿いには、「獅子舞」や「獅子舞谷」の名前の由来となった「獅子岩」があります。獅子が横たわっているように見えることから、このように呼ばれるようになったと伝えられています。複雑な形をしていて、見る角度によって想像力をかきたてられるのがおもしろいです。
天園ハイキングコースの見どころ
「鎌倉アルプス」とも言われる天園ハイキングコースは、鎌倉市街地の背後にそびえる山々を横断するハイキングコースです。
そのため、鎌倉・二階堂方面や北鎌倉方面の寺院などを行き来するアクセス路としても利用できます。
また、東に進むと横浜自然観察の森や金沢市民の森、横浜市最高峰の大丸山、金沢自然公園(金沢動物園)などの横浜・金沢区方面に抜けることができます。