源頼朝が鎌倉に幕府を開いて以来、鎌倉ではさまざまな歴史が積み重ねられてきました。そして、多くの伝説が生まれ、それらは今もパワースポットとして語り継がれています。
鎌倉の中心、鶴岡八幡宮はパワースポットのテーマパークと呼べるくらい、見どころがたくさんあります。源氏山公園を取り囲むように点在する銭洗弁財天・佐助稲荷神社・葛原岡神社は、それぞれ、鎌倉随一の金運・開運・恋愛成就のパワースポットとして親しまれています。とくに、葛原岡神社には「昇運の神龍」と呼ばれる彫刻があり、辰年の2024年の最強パワースポットの一つと言えます。
歴史ある神社・仏閣などが数多くある鎌倉は、パワースポットにも事欠かないエリアですが、この特集では厳選した10スポットに絞ってご紹介します。
マップは、スマートフォンやタブレットでは二本指で操作できます。
INDEX
鎌倉随一の縁結び・恋愛成就・昇運のパワースポット 葛原岡神社
葛原岡神社は、恋愛成就をはじめとした良縁のパワースポットとして知られています。境内の縁結び石は良縁の神様として知られる大黒様が祀られていて、男性に対する良縁は男石に、女性に対する良縁は女石に、人間関係等に対する良縁は中央の石に、赤い糸を結びつけることで願いが叶うとされています。
また、葛原岡神社の主祭神である日野俊基は、新しい世の中に導いた開運の神様としてあがめられています。俊基を祀る本殿の前には、神様のお使いという「昇運の神龍」の彫刻が掲げられていて、お参りすると願いが早く叶うそうです。辰年の2024年にぜひ訪れておきたいパワースポットです。
葛原岡神社の主なパワースポット
・縁結び石
・魔去ル石
・昇運の神龍
●住所
鎌倉市梶原5-9-1
●拝観料
無料(志納)
●公共交通機関
徒歩の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(西口)」より、市役所通り・「銭洗弁天」前経由で、徒歩約35分
JR横須賀線・湘南新宿ライン「北鎌倉駅」より、葛原岡・大仏ハイキングコース経由で、徒歩約30分
※徒歩はこれ以外にも「化粧坂」経由など複数ルートあり
バス利用の場合(大船駅から)
JR各線・湘南モノレール「大船駅(東口)」より、京急バス「桔梗山」行きで、『源氏山入口』下車徒歩約10分
※「鎌倉駅」からのバス利用は、途中1区間のみ(『鎌倉市役所前』~『法務局前』)の利用となり、徒歩区間が多くなるため、おすすめしません。「鎌倉駅」から徒歩以外でアクセスしたい場合は、タクシーの利用をおすすめします。
●駐車場
あり(6台)※土・日曜日と巳の日は、神社までの道に交通規制がかかり進入禁止となります。
周辺の見どころ
源氏山公園
パワースポットのテーマパーク 鶴岡八幡宮
言わずと知れた、鎌倉のまちの中心に鎮座する鶴岡八幡宮は、現在の鎌倉の礎と言える場所です。
源頼朝が鎌倉に幕府を開くのに前後して建てられた鶴岡八幡宮は、これ以降、宗教的な場というだけでなく、幕府の重要な祭事や儀式を行う宮殿のような役割を持つような場所として機能していくようになりました。
さまざまな歴史を見てきた鶴岡八幡宮には、権現造りの本宮を中心に、広い境内のいろいろな場所にパワースポットが点在している「パワースポットのテーマパーク」のような場所です。
2010年に強風のため倒れてしまった公暁の隠れ大銀杏は、根本が移植されたのと、その根から育た若木が成長してます。この「親子銀杏」も生命力の源として、鶴岡八幡宮の新たなパワースポットになりつつあります。
鶴岡八幡宮の主なパワースポット
・白旗神社(必勝祈願)
・旗上弁財天 政子石(縁結び、恋愛成就、安産祈願)
・丸山稲荷社(商売繁盛)
・鶴亀石(出世開運)
・親子銀杏
●住所
鎌倉市雪ノ下2-1-31
●拝観料
無料(志納、一部施設は有料)
●公共交通機関
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、徒歩約10分
※混雑を避けたい場合は、「鎌倉駅(西口)」より、今小路、横大路経由で、徒歩約15分
●駐車場
あり(有料)※大型バスのみ事前予約可能
周辺の見どころ
源頼朝法華堂跡(源頼朝の墓)
宝戒寺
鎌倉随一の金運アップのパワースポット 銭洗弁財天
銭洗弁財天宇賀福神社は鎌倉屈指の金運のパワースポットとして知られる神社です。境内の湧水でお金を洗うとご利益があると言われています。
この湧水は、源頼朝の夢に現われた宇賀福神のお告げに見つかったと言い、この地に宇賀福神弁財天を祀ったところ願いが叶ったと伝えられていることから、信仰が広がっていきました。
銭洗弁財天の主なパワースポット
・奥宮の湧水
・七福神社
●住所
鎌倉市佐助2-25-16
●拝観料
無料(志納)
●公共交通機関
徒歩の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(西口)」より、徒歩約20分
バス利用の場合(大船駅から)
JR各線・湘南モノレール「大船駅(東口)」より、京急バス「桔梗山」行きで、『源氏山入口』下車徒歩約10分
※「鎌倉駅」からのバス利用は、途中1区間のみ(『鎌倉市役所前』~『法務局前』)の利用となり、徒歩区間が多くなるため、おすすめしません。「鎌倉駅」から徒歩以外でアクセスしたい場合は、タクシーの利用をおすすめします。
●駐車場
あり ※土日祝と巳の日は利用不可
鎌倉随一の出世・開運アップのパワースポット 佐助稲荷神社
佐助稲荷神社も源頼朝ゆかりの神社で、出世や開運アップのパワースポットとして知られています。
佐助稲荷神社には、伊豆に流されていた源頼朝の夢枕に老婆の姿で現われて、平家討伐の挙兵を促したという「かくれ里の稲荷」が祀られています。頼朝を挙兵に導いて、征夷大将軍にまで登りつめるきっかけを作った神様ということから、出世稲荷とも言われています。
佐助稲荷神社の主なパワースポット
・無数の朱色の鳥居が続く参道
・霊狐泉
●住所
鎌倉市佐助2-22−12
●拝観料
無料(志納)
●公共交通機関
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(西口)」より、徒歩約25分
●駐車場
なし
もう一つの縁結び・恋愛成就のパワースポット 成就院
葛原岡神社と並んで鎌倉の縁結び・恋愛成就のパワースポットとして知られているのが、成就院です。
成就院の境内には本尊の分身、縁結び不動明王が祀られています。この縁結び不動明王に参拝して、写真に撮って、スマートフォンなどの待ち受け画面にすると御守り代わりになります。これは成就院が公式に推奨しているもので、仏像などは撮影禁止としている寺社も少なくない中、現代の人々に寄り添ってくれているのがうれしいです。
成就院の主なパワースポット
・縁結び不動明王
・子安地蔵、子生み石
・虚空蔵堂
鎌倉唯一の国宝の仏像 鎌倉大仏
鎌倉大仏殿高徳院の通称「鎌倉大仏」は、正式には銅造阿弥陀如来坐像と言う仏像です。鎌倉で唯一の国宝の仏像です。鎌倉大仏は、誰が何の目的で建立したのか、詳しいことが分かっていないミステリアスな仏像です。
鎌倉時代に建立された当初は仏殿に覆われていましたが、室町時代には露坐の大仏になったとみられています。
鎌倉大仏の前に建つと、少し猫背になっている大仏様に見下ろされて、大きなパワーをもらえます。
鎌倉大仏殿高徳院の主なパワースポット
・鎌倉大仏
・大仏胎内
●住所
鎌倉市長谷4-2-28
●拝観料
大人、中・高校生300円
小学生150円
●公共交通機関
徒歩の場合
江ノ電「長谷駅」より徒歩約10分
バス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、江ノ電バス「藤沢駅南口(富士見ヶ丘経由)」、「七里ヶ浜」行きなど、京急バス「鎌倉山」行き、「大船駅東口(ルミネ下)」行きなどの、いずれも「大仏方面」行きで、『大仏前』下車すぐ
●駐車場
なし(近隣に有料駐車場あり)
周辺の見どころ
長谷寺(長谷観音)
光則寺
大仏切通(大仏坂切通し)
学問の神様・菅原道真を祀る 荏柄天神社
荏柄天神社は、学問の神様として親しまれている菅原道真を祀っている神社です。毎年、1月~3月の受験シーズンは、受験祈願に訪れる多くの人で賑わいます。
また、荏柄天神社の社殿は、中世から残る鎌倉最古の神社建築としても知られています。
荏柄天神社の御神木の大銀杏は樹齢900年程度と推定されています。鎌倉で一番大きなイチョウとも言われていて、こちらも荏柄天神社を代表するパワースポットです。
荏柄天神社の主なパワースポット
・社殿(鎌倉最古の神社建築)
・大銀杏
●住所
鎌倉市二階堂74
●拝観料
無料(志納)
●公共交通機関
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「鎌倉宮(大塔宮) 」行きで『天神前』下車、徒歩約3分
または、JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約20分
●駐車場
なし
日本唯一の天皇自らが創建した神社 鎌倉宮
鎌倉宮は、明治天皇の勅命によって創建された、後醍醐天皇の皇子・護良親王(もりながしんのう/もりよししんのう)を祀る神社です。天皇自らが創建した神社は、鎌倉宮が唯一です。
鎌倉宮の御守りと言えば、朱塗りで木製の「獅子頭守り」です。獅子頭は古来から、厄を食べ、幸せを招くと言われています。護良親王も戦の際に兜に忍ばせていたと言われています。
また、拝殿の右横に建つ村上社は護良親王を救った村上義光を御祭神として祀っていて、その社殿の前には「撫で身代わり様」と呼ばれる、自分の身体の具合が悪い場所を撫でると良くなるという等身大の木造があります。
鎌倉宮の主なパワースポット
・獅子頭守り
・撫で身代わり様
・亀若丸
・神苑
笑い閻魔が見守る 円応寺
円応寺(圓應寺)は、巨福呂坂洞門の北鎌倉側にある、閻魔大王を本尊とする「えんま様の寺」です。亡者が冥界において出合う十人の王「十王」を祀っていることから、「十王堂」とも呼ばれています。また、かつては、「新居閻魔堂」とも呼ばれていました。
円応寺の本尊・閻魔王坐像は、平安時代末期から鎌倉時代前期に活躍した仏師・運慶の作と伝わる仏像です。
瀕死となった運慶は、閻魔大王の前に引き出されます。そこで運慶は、閻魔大王に、生前の罪により本来は地獄に落ちるべきところを、自らの姿の仏像を彫り、その像を見た者が悪行を成さず善縁に趣くのであれば裟婆に戻すと言われました。こうして現世に生き返った運慶が彫刻した仏像が、円応寺の閻魔王坐像であると伝えられています。生き返ったことを喜んで彫ったため、閻魔王坐像の顔も笑ったように見えることから「笑い閻魔」と呼ばれています。
また、山賊から守るために赤ちゃんを飲み込んで保護し、その赤ちゃんが無事に成長したことから、「子喰い閻魔」や「子育て閻魔」と言った異名もあります。
円応寺の閻魔様の前で合掌し、懺悔文(閻魔王坐像の前に掲示されています)を心静かに三度唱えると、今まで犯した罪は全て許されると言われています。心当たりがある方は、お参りすると良いでしょう。
円応寺の主なパワースポット
・閻魔大王像
・十王像
●住所
鎌倉市山ノ内1543
●拝観料
大人300円、子供(小・中・高校生)200円
●公共交通機関
北鎌倉駅方面から
JR横須賀線・湘南新宿ライン「北鎌倉駅」より徒歩約17分、
または、江ノ電バス「鎌倉駅」行きで『建長寺』下車、徒歩約2分
鎌倉駅方面から
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約30分、
または、江ノ電バス「大船駅」行き、「上大岡駅」行き、「本郷台駅」行きで『建長寺』下車、徒歩約2分
●駐車場
あり
周辺の見どころ
建長寺
鎌倉幕府滅亡時の伝説が残る 北条首やぐら
北条首やぐらは、1333年(元弘3年)の新田義貞らによる鎌倉を攻めで敗れた北条一門を祀っているとされるやぐら(横穴式の墳墓または供養の場)です。北条得宗(嫡流)家の菩提寺で、北条一門の最後の砦となった北条得宗家の屋敷の隣りに位置する東勝寺で、鎌倉幕府第14代執権・北条高時をはじめとした北条一族とその家臣たち870人余は、最期を悟ると、東勝寺で自害したと言われます。
その際、北条高時らの首を敵に渡さないように逃げ延びた者がいて、この地に祀ったと言われています。
北条首やぐらは、鎌倉幕府終焉の地とも言える、中世からのパワースポットです。