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鎌倉七口以外の鎌倉・逗子・横須賀の切通 | 拡大可能な詳細地図付きで紹介

鎌倉七口以外の鎌倉・逗子・横須賀の切通 鎌倉

鎌倉七口・鎌倉七切通

  • 本特集の情報は、2024年5月1日現在の情報になります。
  • 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
鎌倉七口以外の鎌倉・逗子・横須賀の切通マップ

マップは、スマートフォンやタブレットでは二本指で操作できます。

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釈迦堂切通

インフォメーション

2024年5月現在、釈迦堂切通は、周辺のエリアを含めて、崩落対策工事のため立入禁止となっています。通行再開は2026年度の予定です。釈迦堂切通大町側(南側)からは、立入禁止のエリア外から切通しの外観を見学することができます。

釈迦堂切通しゃかどうきりどおしは、鎌倉の大町(県道311号逗子葉山線方面)と浄明寺(県道204号金沢街道方面)を南北に結ぶ切通しです。釈迦堂切通は鎌倉内部間を結ぶ切通しのため、鎌倉の外と内部を結ぶ切通しである「鎌倉七口」の比較対象として挙げられることも多い切通しです。
釈迦堂切通の頂上部分はトンネル(洞門)になっていて、他の「鎌倉七口」にはないインパクトを持つ切通しでもあります。切通しの内部には、いくつかの「やぐら」(中世の横穴式の墳墓または供養の場)も見られます。

釈迦堂」という名前は、鎌倉幕府第3代執権・北条泰時が父である第2代執権・北条義時の供養のために建てた釈迦堂に由来します。しかし、釈迦堂があった場所やその規模などの正確なことは分かっておらず、ただ名前だけが今日まで伝わってきています。

●住所
鎌倉市大町6丁目

●公共交通機関
北側(県道204号金沢街道・浄明寺方面)から
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「鎌倉霊園正面前太刀洗」行き、「金沢八景駅」行き、「ハイランド」行きで『杉本観音』下車徒歩約10分
または、JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約35分
南側(県道311号逗子葉山線・大町方面)から
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「緑ヶ丘入口」行きで『名越』下車、徒歩約20分
または、JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約35分

釈迦堂切通(大町釈迦堂口遺跡)・大町側の切通入口(撮影日:2000.05.06)
釈迦堂切通

周辺の見どころ
衣張山

周辺のハイキングコース等
衣張山ハイキングコース・平成巡礼道

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高野の切通(長窪の切通)

高野の切通(長窪の切通)は、大船の高野台と呼ばれるエリアにある、六国見山のふもとに広がる住宅地の中に残る切通しです。現在の天園ハイキングコースから続く尾根道の、最西端に位置しています。

高野の切通がいつ頃整備されたのかは分かりませんが、鎌倉市中を経由せずに、尾根道を往く、いわゆる鎌倉街道などの街道筋のバイパス的な道の一部であったと考えられます。
江戸時代後期に編さんされた地誌である「新編鎌倉志」や「新編相模国風土記稿」では、この高野の切通しに相当する記述や関連していそうな記述は見られないため、江戸時代後期以降の近世に開削された可能性もあります。

高野の切通は観光地化されてなく、案内板のようなものも立っていません。そのため、少々分かりにくい場所にありますが、かえってそれが古道の雰囲気を留めている要因にもなっています。

高野の切通は、鎌倉市が1999年に市民投票をもとに選定した「かまくら景観百選」で「高野の切通」(鎌倉市高野4-4地先)の名称で認定していますが、長い間「長窪の切通」という名称でも呼ばれてきました。(詳細はリンク先をご覧ください)

●住所
鎌倉市高野4-4

●公共交通機関
大船駅から(北側の入口)
JR各線・湘南モノレール「大船駅」徒歩約25分
または、江ノ電バス「鎌倉湖畔循環」行き、「鎌倉駅」行きで「常楽寺」下車、徒歩約6分
北鎌倉駅から(南側の入口)
JR横須賀線・湘南新宿ライン「北鎌倉駅」より徒歩約15分

長窪の切通し(高野の切通)(撮影日:2021.12.10)
高野の切通(長窪の切通)

周辺のハイキングコース等
天園ハイキングコース

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大船の切通

大船の切通しは、大船の多聞院熊野神社の裏から大船高校の裏に通じている切通しです。大船高校側からは、六国見山への登山口も近いです。

大船の切通しがいつ頃整備されたのかは分かりませんが、中世の鎌倉市中の外にある切通しのため、いわゆる「鎌倉七口」には含まれておらず、注目度は高くない切通しです。しかし、「鎌倉七口」の中でも比較的保存状態が良いとされている朝夷奈切通名越切通大仏切通などと比較しても、古道の雰囲気を良く残している切通しのため、近くの高野の切通しとともに、穴場の切通しあるいは通好みの切通しとして隠れた人気があります。

大船の切通し切通しの大船高校側の出口で直行している道は、明治期末の地図でも見られ、切通しから見て右に向かうと現在と同様に高野の切通しの方へ続いています。その先は、鎌倉市中の各所へアクセス可能な、現在の天園ハイキングコース方面へと向かえます。

もう一方の左へ向かうと、古地図では、今泉方面へ続く道が見られます。大船の切通しの下に走る素掘りのトンネルが開通するまでは、こちらの切通しを経由する道が今泉方面へ向かうルートとして機能していたのでしょう。現在はゴルフ場の開発などで失われてしまっていますが、今泉不動の先をさらに進み大平山へ行くルートがあったと考えられ、大船や北鎌倉方面から中世~江戸時代に貿易港や塩田として栄えた六浦・金沢文庫方面へ抜ける場合に、鎌倉市中を経由せずに、かつ、できるだけ平坦な道を選べるコースになります。

●住所
鎌倉市大船

●公共交通機関
JR各線・湘南モノレール「大船駅」徒歩約30分
または、江ノ電バス「鎌倉湖畔循環」行き、「鎌倉駅」行きで「常楽寺」下車、徒歩約8分

大船の切通し・多聞院側から大船高校方面を望む(撮影日:2021.12.10)
大船の切通し

周辺の見どころ
多聞院
大船熊野神社
六国見山森林公園

周辺のハイキングコース等
六国見山ハイキングコース

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稲村ヶ崎の切通

稲村ヶ崎いなむらがさきは、鎌倉の中心市街地の前に広がる由比ヶ浜ゆいがはまと、江ノ電国道134号が並行して海沿いを走る七里ヶ浜しちりがはまの間にある岬です。
七里ヶ浜側は、鎌倉海浜公園稲村ケ崎地区(稲村ヶ崎公園)として、岬の斜面を利用したひな壇状の公園になっています。

稲村ヶ崎は、古くは、鎌倉幕府が滅亡するきっかけの一つとなった、新田義貞にった よしさだ鎌倉攻めの突破口になった場所として知られていて、「稲村ヶ崎(新田義貞徒渉伝説地)」として、国指定史跡に指定されています。

現在のように稲村ヶ崎に本格的な切通しが開削されたのは、昭和に入って、現在の国道134号(当時の県道片瀬鎌倉線)が開通したときのことです。稲村ヶ崎坂ノ下側の道路脇(海側)には、ひっそりと「道路開鑿記念之碑」が建っています。

この近代の切通しは、中世に開削されたものと違って特筆すべき歴史的な背景があるわけではありません。しかし、稲村ヶ崎の切通からの富士山ビューは、他のどの切通しにもない唯一無二の特徴です。
由比ヶ浜方面から七里ヶ浜方面に向かって切通しを登って行くと、これまで視界になかった富士山が、頂上付近で突然、目の前に飛び込んできます。左右を切り立った崖に囲まれてるという視覚効果もあいまって、稲村ヶ崎の切通から見える富士山は、不思議と大きく見えるため、インパクトがあります。

また、夕暮れ時の稲村ヶ崎は、富士山江の島のシルエットに向かって、海岸線を走る車の灯りが連なって見える景色が美しく、鎌倉屈指の夕日の名所として人気があります。

●住所
鎌倉市稲村ガ崎1丁目

●公共交通機関
江ノ電「稲村ヶ崎駅」より徒歩約5分

稲村ヶ崎の切通から江の島や富士山方面を望む(撮影日:2021.01.29)
稲村ヶ崎の切通から江の島や富士山方面を望む
稲村ヶ崎の切通から見た夕暮れの富士山(撮影日:2023.12.08)
稲村ヶ崎の切通から見た夕暮れの富士山

周辺の見どころ
七里ヶ浜海岸
鎌倉海浜公園坂ノ下地区

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神武寺の切通

神武寺じんむじは、奈良時代の724年(神亀元年)に、聖武天皇の命により行基が開山したと伝わる古刹です。

神武寺は三浦半島北部のほぼ中央に広がる緑豊かな山の中に建立されていて、この山中に堂宇ややぐらなどが点在しています。
現在は、神武寺・鷹取山ハイキングコースの一部にもなっている神武寺の参道には、いくつもの小さな切通しが造られています。

また、客殿(宝珠殿)は四方を山と谷に囲まれた要害の地にあり、その入口には岩を切り抜いた見事な切通しがあります。ここまで深く開削されたのは近現代のことかもしれませんが、三浦半島の切通しの中でも屈指の垂直に切り立った切通しです。

なお、昭和後期に逗子市教育委員会によってまとめられた「逗子市文化財調査報告書 第12集 神武寺の城郭遺構」は、神武寺のある山域全体を山城と見たてた内容の報告書になっています。しかし、現在までにそのような史実は見つかっていないことと、山城であるという根拠はどれも、山の中に純粋な寺を建立しようとしても説明がつくことばかりのため、神武寺の城郭説は根拠が薄いものであると考えます。

神武寺の南側のふもとにあたる地域には、平安時代に、源頼朝の父・義朝の館沼浜城跡」(現在の桐ヶ谷歴史庭園周辺と推定)があったとされています。神武寺の山がこの出城として機能していた可能性は考えられそうですが、義朝沼浜城に長期に渡って居城していたわけではなく、神武寺の山域全体に大規模な城を築いたとは考えづらいです。

●住所
逗子市沼間2-1402

●公共交通機関
JR東逗子駅から表参道経由
JR横須賀線「東逗子駅」より徒歩約20分
京急線神武寺駅から池子参道経由
京急逗子線「神武寺駅」より徒歩約30分
京急線神武寺駅から神武寺・鷹取山ハイキングコース経由
「鷹取山」より徒歩約30分

神武寺・切通から客殿を望む(撮影日:2021.05.25)
神武寺の切通

周辺の見どころ
鷹取山
桐ヶ谷歴史庭園(沼浜城跡)
法勝寺
海宝院

周辺のハイキングコース等
神武寺・鷹取山ハイキングコース

がらめきの切通

がらめきの切通は、東海道と江戸時代には奉行所が置かれていた浦賀とを結ぶ、かつての浦賀道うらがみちの一部だった古道です。このあたりには六部ヶ入坂と呼ばれた急坂があって、東回りと西回りの2つのルートがあった浦賀道のうち、比較的険しいルートであった東回りの中でも十三峠三浦按針=ウィリアム・アダムスの墓所がある、現在の塚山公園付近)に次ぐレベルの、難所の一つに数えられていました。
難所を改善するために開削されたがらめきの切通は残りましたが、六部ヶ入坂自体は、現在、切通しの下を走る国道16号・浦郷隧道の開通によって消失しています。

山がちな三浦半島北部にも、古道に残る無名の切通しがいくつも点在しています。がらめきの切通はその中でも現存する最大規模のもので、往時の姿をよくとどめていると考えられます。

現在のがらめきの切通は、南側は浦賀道の尾根道が200mほど残ります。前述のとおり、浦賀道の北側は失われています。がらめきの切通からは、現在もこの他に、北東側の尾根道で浜見台の住宅地方面へ、西側の尾根道で鷹取山方面へ抜ける道があります。鷹取山より西側の、相模湾側に抜けるルートも確立されていたことでしょう。明治期までのがらめきの切通は、三浦半島でも重要な中継地の一つであったと考えられます。

●住所
横須賀市追浜町1丁目

●公共交通機関
京急線「京急田浦駅」より徒歩約10分
または、京急線「追浜駅」より徒歩約30分

がらめきの切通(撮影日:2020.11.11)
がらめきの切通

周辺のハイキングコース等
神武寺・鷹取山ハイキングコース

猿島砲台跡

猿島さるしま猿島公園)は、横須賀の中心市街地の沖合約1.7kmに浮かぶ、東京湾最大の無人の自然島です。

かつての猿島旧日本軍の要塞だった島のため、長い間、民間人が立ち入ることのできる場所ではありませんでした。
第二次世界大戦後に定期航路(フェリー)が開設されて民間人が立ち入れるようになってからも、現在に至るまで大きな開発がされることはありませんでした。
そのため、島内には緑豊かな自然と、旧日本軍の歴史的建造物が残り、独特な雰囲気を作りだしています。

猿島の歴史的遺産のハイライトは、なんといっても、明治時代に西洋の技術を取り入れて造られた、レンガ造りの建造物群の遺構だと言えるでしょう。
明治時代前半に造られた猿島砲台は、同じ横須賀市内の観音崎で初期に造られた砲台と同じように、レンガの積み方はフランス積みです。

これらの軍事施設の中心部を貫くように築かれたのが、猿島の切通です。
猿島では、敵を攻撃するための砲座以外の、弾薬庫や兵舎などは、島の内部(地下)に造られていて、その入口がこの切通し沿いに面して並んでいます。

猿島桟橋で船を降りた後、かつての電気灯機関舎をまわり込むようにして坂を登って行くとすぐに、目の前に、垂直に開削され、岩肌が露呈した猿島の切通が現われます。
曲がりくねった坂を登りきると、今度は、ブラフ積み石垣レンガ造りの建造物群などからなる切通しが一直線に続きます。

切通しと言うと「鎌倉七口」に代表されるような中世の古道のイメージが強いかと思いますが、猿島の切通は、当時の技術の粋を集めて造られた近代化遺産としての切通しと言えます。

●住所
横須賀市猿島1

●公共交通機関
三笠ターミナルまで京急線「横須賀中央駅」より徒歩約15分、三笠ターミナル前の桟橋から猿島までは船で片道約10分

猿島・切通し(要塞跡)の入口(撮影日:2020.11.17)
猿島・切通し(要塞跡)の入口
猿島・切通し(要塞跡)(撮影日:2020.11.17)
猿島・切通し(要塞跡)

周辺の見どころ
三笠公園
記念艦三笠
よこすかポートマーケット

千代ヶ崎砲台跡

千代ヶ崎砲台ちよがさきほうだい猿島と同様に、明治時代に旧日本軍が首都東京や横須賀軍港を防衛するために建設した、東京湾要塞を構成する砲台群の一つです。

千代ヶ崎は久里浜と浦賀の間にある岬で、観音崎砲台群の南側(東京湾の入口寄り)に位置しています。千代ヶ崎砲台はその岬の上の丘陵地にある平根山に築造されました。

千代ヶ崎砲台跡も、猿島と同じように、砲台の関連施設は地下に築かれていて、それらの施設は切通し(塁道)で結ばれています。トンネル(隧道)と吹き抜けの露天空間が交互に現われるのが、千代ヶ崎砲台跡の切通の特徴です。

猿島の切通と雰囲気は似ていますが、長い間非公開だったためか、千代ヶ崎砲台跡のほうが保存状態は良好です。また、建造時期に10年の違いがあることから、後年造られた千代ヶ崎砲台のほうが整然としていて完成度が高く、洗練された雰囲気さえ感じられます。(もちろん、千代ヶ崎砲台は復元直後というアドバンテージもあります)
外国からの技術を積極的に取り入れはじめた明治期の10年というのは、日本の技術革新にとってとても大きな10年だったのでしょう。

千代ヶ崎砲台跡は、東京湾要塞の砲台群の中でも築造当初の姿を良好に留めていることから、近代の軍事・土木技術を理解するうえで重要な遺跡であるため、猿島砲台跡とともに、2015年に国の史跡に「東京湾要塞跡 猿島砲台跡 千代ヶ崎砲台跡」として指定されています。

●住所
横須賀市西浦賀6-17-1

●公共交通機関
京急線「浦賀駅」より京急バス「千代ヶ崎経由京急久里浜駅」行き
または京急久里浜線「京急久里浜駅」より京急バス「千代ヶ崎経由浦賀駅」行きで、『燈明堂入口』下車徒歩約15分

千代ヶ崎砲台跡・塁道の入口付近(撮影日:2021.10.24)
千代ヶ崎砲台跡・塁道の入口付近
千代ヶ崎砲台跡・塁道のトンネル内より近接防御砲台方面を望む(撮影日:2021.10.24)
千代ヶ崎砲台跡・塁道のトンネル内より近接防御砲台方面を望む

周辺の見どころ
燈明堂跡&燈明堂海岸
川間ドック
浦賀ドック
ペリー公園

観音崎の切通

残念ながら立入禁止や通行禁止の場所も多いですが、観音崎は、三浦半島でも屈指の切通しの密集地帯です。

観音崎もまた、猿島千代ヶ崎砲台と同じように、明治期に旧日本軍によって要塞化された場所です。その跡地に整備された県立観音崎公園神奈川県最大の県立公園ということからも分かるように、広大な敷地を有する要塞だったため、長い年月をかけて造られました。

これらの観音崎砲台群は、自然の地形を極力いかした造りになっていて、猿島千代ヶ崎砲台のような凝縮された要塞感はありません。
とは言え、要塞化にあたって、砲台やその関連施設を行き来するために、観音崎の山の中には数多くの切通しやトンネルが整備されました。当時最新の技術を用いたレンガ積みのものから、素掘りのものまで、バリエーションに富んでいます。

長い年月をかけて造られたことを物語るように、観音崎で見られるレンガ積みには、フランス積みイギリス積みがあります。
当時技術的な支援を仰いだ国の影響によって、明治20年ごろを境に、それよりも前の建造物はフランス積みで、それよりも後のものはイギリス積みで造られています。

●住所
横須賀市鴨居4-1120

●公共交通機関
京急線「横須賀中央駅」「馬堀海岸駅」「浦賀駅」またはJR横須賀線「横須賀駅」より京急バス『観音崎』行きで終点まで

県立観音崎公園・観音埼灯台近くの切通(撮影日:2020.10.21)
県立観音崎公園・観音埼灯台近くの切通
県立観音崎公園・三軒家砲台跡近くの切通(撮影日:2021.11.12)
県立観音崎公園・三軒家砲台跡近くの切通

周辺の見どころ
観音埼灯台
たたら浜

横須賀美術館「Valleys(2nd-stage)」

最後に紹介する切通し観音崎にあるものですが、こちらは戦争遺跡ではなく、現代のアート作成です。

2007年、横須賀市の市制100周年を記念して、横須賀美術館県立観音崎公園の一角に開館しました。
横須賀美術館は東京湾を望むロケーションにあり、アート情報サイトで「絶景美術館・トップ5」に選出されたこともあります。
また、横須賀美術館を設計した建築家・山本理顕氏は、2024年3月、建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」に選ばれています。

この、横須賀美術館前の海の広場に、「Valleys(2nd-stage)」(1989年制作、2006年設置)という大型の屋外彫刻が展示されています。
作者の若林奮わかばやし いさむ氏は、「鉄の彫刻家」として注目を集めた作家で、鉄や銅、鉛などを素材として用いつつ、自然との関わりを表現する独特な世界観を持っていました。
Valleys(2nd-stage)」は、若林氏の没後、遺族や関係者の協力のもと、横須賀美術館に設置されました。

Valleys(2nd-stage)」は鑑賞するだけでなく、美術館前の道路と美術館本館をつなぐ通路としても機能しています。
現在はまだ異質に感じる、この全長46mの鉄の切通しも、数百年後には、中世の切通しと同列に扱われるくらい、周囲の自然と一体化したものになるのかもしれません。

●住所
横須賀市鴨居4-1

●公共交通機関
京急線「横須賀中央駅」「馬堀海岸駅」またはJR横須賀線「横須賀駅」より京急バス「観音崎(走水経由)」行きで、『観音崎京急ホテル・横須賀美術館前』下車、徒歩約2分
京急線「浦賀駅」より京急バス『観音崎』行きで終点下車、徒歩約5分

横須賀美術館・「Valleys(2nd-stage)」(若林奮)(撮影日:2024.02.09)
横須賀美術館・「Valleys(2nd-stage)」(若林奮)
横須賀美術館・「Valleys(2nd-stage)」(若林奮)を通行する人々(撮影日:2024.06.06)
横須賀美術館・「Valleys(2nd-stage)」(若林奮)を通行する人々

周辺の見どころ
走水神社

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